子宮の中のエイリアン February 27, 2007
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赤ん坊の見方は人によってバラバラで、それぞれが好き勝手なことを言うものだ。なぜそうなのかと言えば、赤ん坊について誰も何も知らないからだ、ということがこの本を読むと分かる。
『子宮の中のエイリアン―母と子の関係はどう進化してきたか』
エレイン モーガン
この本は胎児の発生時点から乳児までの成長の様子を詳しく説明することで、赤ん坊がどういう生物なのかを理解させる。専門用語はほぼ皆無で分かりやすく書かれているため、誰でも読むことができるはずだ。
生まれるまでは外側から見たサイズと超音波のあいまいな写真でしか様子を知ることはできないものだが、この本を読めば今どういう状態なのか想像できて楽しく過ごせる。 ぼくらがいかに赤ん坊について知らないかということは、一例を抜粋するだけで分かるだろう。
人間の胎児のほうは、いったん毛皮のコートをまとってから、ふたたびそれを脱ぎ捨てる。受精後三ヶ月目にふさふさと生えはじめる体毛は、”毳毛”と呼ばれる。胎児の発達の原則に従って、この毳毛も、上半身から生えはじめる。そして足にまで毛が生えだすころには、両腕の毛はかなりの長さになっている。そして受精後二十週ごろには、頭も顔も手足も、すっかり毛で覆われる。
そしてこのあと毳毛はすっかり抜ける。人間が全身毛に覆われた動物でないことは「そういうものだ」と思っているかもしれないが、実は胎児の段階で捨てているのだ。 この例のように、この本では他の動物の赤ん坊との比較を通じて人間の赤ん坊がどのような特徴を持っているのかが明らかにされ、ヒトという動物がどのように進化したのかがはっきりと分かる。
生物は姿かたちを変えることで進化を続けてきているわけだが、赤ん坊を生物学的に詳しく観察していくことで進化は成体について起こっているのではなく胎児・幼児の生存確率が高まるように起こっているという主張が裏付けられていく。 タイトルに”エイリアン”と書かれているように、まるで胎児が意志を持っているかのように母親に寄生して進化してきた様子が描かれていく。レム睡眠の目の動きやしゃっくりでさえ、胎児期の環境適応トレーニングの名残りだという。
じっさいに子供を観察していると、何も知らなければ不可解としか言いようのない動きをたくさんすることに気づく。 赤ん坊の生態を知れば、それは環境に合わせるための練習だということが良く分かって面白い。
かお かお どんなかお
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